春の優しい日差しの中で花を奏でる

春の風が吹き始めると開花するともいわれているアネモネ。その名は、ギリシャ語で「風」を意味する「ancmos」が語源。英語では「wind flower (風の花)」といいます。空を見上げるように上を向いて咲く姿が愛らしく、ついのぞき込んでしまうのですが、はじめて見たときに驚いたのが、おしべとめしべの表情でした。風にそよぐような、薄く繊細な花びらとは対照的。
真っ黒のベルベットのくるみボタンのようなめしべのまわりに、無数のおしべがぐるりと1周囲んでいて、とても力強いのです。この表愉が素敵なので、アネモネのブーケでは蕾は使わず、咲ききったものを中心に。花の人きさが10cmほどの大輪のモナリザを、ピンクや紫などを中心に白を入れることで、やわらかい印象に仕上ぼました。
季節ごとにたくさんの花があり、それぞれに楽しみがありますが、やっぱり春は特別です。斜めにさし込むやわらかな光のもと、草花が芽吹き、色とりどりの花を日にすると、なんとも幸せな気持ちになります。
この春の喜びを感じてほしくて、「花の会」では毎年、生まれたての“春”をブーケにしています。芽吹きたての草花は背丈が低く、花は小ぷりで繊細。花の色だけではなく、茎や葉の緑もやさしく淡い色調なので、何を介わせても嫌みがありません。たくさんの穐類の花を楽しみたいので、すべて1本ずつ。気づけば20種類以上になってしまうのですが、「かわいい」と思うものを集めるだけで、自然と花合わせはできてしまうのです。
束ねているときに漂う、どこか草っぼい甘い香りも、存ならではです。
少ない本数でもボリュームが出るように、大輪のチューリップとガーベラを中心に合わせました。チューリップの中でも大輪のピクチャーはクラウン咲きという変わった咲き方の品種で、工冠のような愛らしい形。花もちがいいのもうれしいところです。ピンクのグラデーションで色合わせをしたブーケですが、ヒヤシンスの濃いピンクで甘さを引き締めて。ラムズイヤーのスモーキーなグリーンを添えることで、大人っぽい印象に仕上げています。
ピンと張ったまっすぐな茎のチューリップだけを束ねると、かっちりとした印象になります。ここでは、存の庭の蛾色をひとまとめにしたようなブーケにしたくて、ルッコラやストック、ナズナなどの春の草花を一締に束ねました。きゃしゃで動きのある草花を介わせることで、庭先に自然に生えているような、普段づかいのブーケに。ふわりとした草花とコロンとしたチューリップの質感の違いもおもしろく、白のグラデーションの色合わせに深みが増します。春の花を使用したお祝いのスタンド花を制作してくれる花屋

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です